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<インタビュー>Liella!、11人の色が詰まった3rdアルバム『Aspire』――そして舞台はリバイバル公演へ
Interview & Text:榑林史章
Photo:堀内彩香
結ヶ丘女子高等学校のスクールアイドル部の活躍を描いたTVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』。昨年放送されたTVアニメ3期では、3年生が卒業し、それぞれの新たな物語に一歩を踏み出す姿が描かれた。それから間髪入れず、Liella!としてツアー【ラブライブ!スーパースター!! Liella! 6th LoveLive! Tour ~Let's be ONE~】の開催、4月に地上波初の冠番組『Liella!のちゅーとりえら!!』(日本テレビ系)の放送、そして5月28日に3rdアルバム『Aspire』のリリースと、次々と活動が展開されてファンは嬉しい悲鳴を上げた。
そんなLiella!から、今回はペイトン尚未(平安名すみれ役)、青山なぎさ(葉月 恋役)、薮島朱音(米女メイ役)、大熊和奏(若菜四季役)の4人が登場。TVアニメ3期の楽曲に加え、全体曲や、11人それぞれのソロ曲といった新曲を多数収録した、大ボリュームの3rdアルバム『Aspire』について話を聞いた。4人が熱望(=Aspire)することとは? そして7、8月に開催される【ラブライブ!スーパースター!! Liella! First Generation LoveLive! ~Wonderful Starlines~】に込められたストーリーとは? 「“スパスタロス”になっている暇もない」と話す4人が、大いに語ってくれた。
「“Liella!の欲張りセット”」
――3rdアルバム『Aspire』がリリースされますが、どんなアルバムになりましたか?
ペイトン尚未:ひとことで言うと“Liella!の欲張りセット”です(笑)。曲数が多く、且つ11人全員のソロ曲があって、1曲1曲のクオリティも高い。何回でも聴きたくなる、素敵な曲ばかり。この1枚でLiella!というグループのことはもちろん、メンバー1人1人のことも知ることができます。特にソロ曲は、TVアニメの物語を知らなくても、歌詞に共感したり自分の経験と重ねて聴くことができたりするので、そういう意味でもすごくいいアルバムだなと思います。早く多くの人に、手に取って欲しいなと思いますね。
大熊和奏:『Liella!のちゅーとりえら!!』との温度差がすごくて、同じグループだと信じてもらえないかもしれません(笑)。でもLiella!って、私の中ではずっとかっこいいイメージがあるので、そのかっこ良さやいい部分を、たくさん引き出してくれているアルバムじゃないかと思います。
青山なぎさ:楽曲的にはすごく多彩なジャンルを収録していて、アルバム収録曲だけでライブのセットリストを組んでも成立するんじゃないかと思うほどです。いろんな味があるので、その時の気分で聴く曲を変えたりしながら楽しむことができる、1枚ですごく満足感のあるアルバムになりました。TVアニメ3期の放送後のリリースという部分では、それ以前の楽曲から成長したメンバーの姿が表現されていて、それはメンバーの内面の成長であったり、歌っている私たち自身のパフォーマンスの成長でもあったり、様々な面で成長を感じていただけると思います。余裕のある方はぜひTVアニメ1期から通して、曲を聴いていただけたら嬉しいです。
薮島朱音:「ソロ曲、待ってました!」という方が多いと思いますけど、私たちも同じです。2期生にとってもソロ曲はまだ2曲目なので、「やっと2曲目がいただけた!」と思ってすごく嬉しいです。好きなメンバーのソロを聴いて、「意外だった」と思う方もいるかもしれないけど、それはそれでそのメンバーの新たな魅力だし。11人いて、色もバラバラで、好きなメンバーだけじゃなくいろんな色があるこのアルバムを通して、いろんなメンバーの魅力に気づいてほしい。特にタイトル曲の「Aspire」は全員曲で、これも何度でも聴いて楽しんで欲しいです!
【試聴動画】Liella! 3rd Album「Aspire」
――その「Aspire」はラップパートもあって、まるでK-POPのようなかっこ良さです。最初に聴いた印象やお好きなポイント、歌った感想など教えてください。
薮島:攻めてますよね!
ペイトン:うん。すごく攻めてる。レコーディング前にみんなで、「新曲聴いた? すごくない?」って話をして。冒頭の<限界なんかないや>のところを、みんなで連呼して遊んでます。きっとみんなもそこがお気に入りなんじゃないかな?
青山:何か急いでやらないといけないことがあって、「え〜もう無理だよ〜」となった時、誰かが<限界なんかないや>って歌い出すんですよ。それが最近のLiella!の中での流行りで(笑)。
大熊:世の中にも流行らせたいね!
ペイトン:限界を感じた時は、ぜひ〈限界なんかないや〉って口に出してみてください(笑)。
大熊:後半にはラップパートもあって。
薮島:ラップは、すみれちゃん、マルガレーテちゃん(CV:結那)、四季ちゃん、ちぃちゃん(CV:岬 なこ)の4人が担当していて。11人曲では、ラップって今まで無かった要素だし、いろんな要素がこの1曲にギュッとしています。
大熊:レコーディングは、もう大変でしたよ。「もっとかっこ良く!」って言われて、「え!もっとやっていいの?」というやりとりを何度もして。ラッパーになった気分でした。
ペイトン:和奏は最近、普段からめっちゃラッパーみたいなんです(笑)。
大熊:もともとラップ好きなんで!
ペイトン:じゃあラップパートもらえて良かったじゃん(笑)。私はマルガレーテと英語の歌詞をラップしたんですけど、ライブで歌う時が今から不安です。それでなくても英語は苦手なのに、2人で息を合わせなきゃいけないし。でも私が担当しているすみれなら、きっとこういう時かっこ良くキメると思うので、すみれに負けないように頑張ります!
――これだけかっこいい曲だと、ダンスの振り付けが楽しみですね。
ペイトン:すごく大変そう。
青山:最初に聴いた時は、「Jump Into the New World」を彷彿としました。だから、ああいう感じの振り付けになるんじゃないかと予想しています。
――あの曲のダンスは、相当カロリー高いですよね。
大熊:あれはヤバイ。
薮島:1番大変だった記憶があります。
――それを越えるかもしれない?
青山:<上昇すんだ>とか<そんなんじゃないでしょ 上を目指せ>という歌詞もあるし、それを考えるとちょっと怖いですね。
- ソロ曲への想い
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リリース情報

アルバム『Aspire』
2025/5/28 RELEASE
<オリジナル盤>
LACA-25170 4,400円(tax in.)
<フォト盤>
LACA-25171 4,400円(tax in.)
公演情報
【ラブライブ!スーパースター!! Liella! First Generation LoveLive! ~Wonderful Starlines~】
2025年7月26日(土)
OPEN 16:30 / START 17:30
大阪・大阪城ホール
2025年7月27日(日)
OPEN 15:00 / START 16:00
大阪・大阪城ホール
2025年8月9日(土)
OPEN 16:30 / START 17:30
東京・有明アリーナ
2025年8月10日(土)
OPEN 16:00 / START 17:00
東京・有明アリーナ
チケット:
全席指定(グッズ付き) 16,500円(税込)
全席指定 12,000円(税込)
U-20割引チケット 6,000円(税込)
関連リンク
ソロ曲への想い
――ソロ曲についても伺いたいと思います。薮島さんが米女メイとして歌う「Sky Linker」は、スケールの大きなロック系です。
薮島:イントロから「メイちゃんの曲だ」って分かるんじゃないかなと思います。メイちゃんのソロは毎回心の葛藤を歌っていて。心の不安や迷いを否定せず、それを持ちながら前に進んで行けばいいという、強い気持ちが込められています。
――歌詞の<負けんな!>という力強い言葉使いもメイちゃんらしいです。
薮島:そこはメイちゃんにしか言えないセリフだなって。この歌詞を読んで私も、自分自身に負けないように頑張らなきゃなっていう気持ちになりました。
青山:私はこの曲って、メイちゃんがスクールアイドル部の新たな部長として、後輩や仲間たちに向けて歌っているのかなと思いました。自分が引っ張って行くぞという、そんな強い気持ちを歌っているのかなって。声色の使い方も、葛藤はあってもそれをみんなの前では感じさせない、みたいなイメージでした。
大熊:強さもあると思うけど、それはきっと自分に言い聞かせているものなのかなって。それになぎも言ったように、自分の経験を後輩たちに伝えて行くという気持ちもあると思うし。自分が支えられて来たことを分かっているから、今度は自分が支えて行こうという気持ちも表しているのではと思いますね。
――次にペイトンさんが平安名すみれとして歌う「Just woo!!」も、実にすみれっぽい曲です。凜として街中を闊歩しているような。
ペイトン:“ザ・すみれ”です。ショービジネスの世界を意識した、まさしくすみれのための曲だと思いました。歌詞を読んだ時は、<恋してる!>とか<自分と熱愛中>というフレーズが出て来て衝撃的でした。自分の気持ちを恋に例えられるくらい、成長したんだなと思いましたし、自分のことをこんなに好きになれていることが嬉しかったです。今の世の中、自分のことが好きだと言える人は少ないと思うし、私自身もそうでした。すみれのように、自分のことを好きでいられたらいいなと思うし、この曲を歌っている時は、心の底からすみれのことが大好きで、レコーディング中もずっとすみれの顔を思い浮かべていました。とにかく私自身がすみれを好きな気持ちと、すみれがすみれ自身を好きな気持ちを、織り交ぜて歌おうと思ってめちゃめちゃ気合いを入れてレコーディングに臨みました。

――自己肯定ソングみたいな感じですね。
ペイトン:そうですね。自分に自信が無い人にこそ聴いて欲しいです。こんな風に自分を愛せるようになったらいいな、こんな自分を肯定してあげたいなって思う、きっかけになればいいなと思います。
薮島:私自身もポジティブな人間ではないので(笑)、この曲を聴くと「今なら私にもできるかも」って、無理にポジティブにするのではなく、「今の自分でも十分いいのかも」って思わせてくれますね。
ペイトン:曲調もおしゃれだし、最高の曲です! と自画自賛したいです。
――また、大熊さんが歌う「LiLiA」は、クールな雰囲気からも四季らしさが感じられます。
大熊:前回のソロ曲「ガラスボールリジェクション」と同じ方が作曲してくださっているので、雰囲気やニュアンスは前と似たところがあります。夢心地のようで、ミステリアスで、つかみ所が無い感じにしたいと思って歌いました。
青山:前回の四季ちゃんの「ガラスボールリジェクション」は踊りがすごくかっこ良くて、その印象が強かったんですけど、今回のこの曲は逆に“踊り無し”で聴きたいって思いました。四季ちゃんの声色や表情だけで魅了されたいと言うか、顔のどアップで聴きたいです(笑)。四季ちゃんって大きく感情が動くことは無いけど、目線とかちょっとした変化で魅せることができるので。この曲でも、最後の伸ばし方が全部違っていたり、とても細かいニュアンスで聴かせていて。その声だけの表現を、ぜひライブで観たいなって思いました。でも和奏は踊りたいんだよね?
大熊:まだ分からないけど(笑)。でも最初にいただいた時は、資料に「イメージはクラブミュージック」と書いてあって。
青山:そうなの!?
大熊:でも聴くとDメロの前が、結構リズムがある感じだから、ああなるほどと思って。
青山:だから最初のほうだけは、スンっとして聴かせて欲しい。
薮島:確かにそういうのを観てみたい!
ペイトン:語るように歌っているしね。
大熊:できるだけ努力します(笑)。

――そして青山さんが葉月 恋として歌う「結び葉」(むすびば)は、遠くのお母さんに向けて歌っているのか、仲間たちに向けて歌っているのか、いろいろな捉え方があるなと思いました。
青山:私はお母さんかなって思いました。恋ちゃんがお母さんに向けて、「安心して欲しい」という気持ちを乗せていると。最初に聴いた時は、すごく滑らかで歌いやすそうだなと思ったんですけど、いざ譜面を見たらとんでもない音階で、低音から急に高くなったり、すごく難しいメロディーライン。人間の声よりも、バイオリンなどの弦楽器で表現したほうがいいんじゃないかと思ったほどです。だからレコーディングまでの練習は、とても苦戦しました。難しいメロディーを、いかに簡単そうに聴こえるように歌えるかと。
ペイトン:私も「結び葉」を聴いた時、クラシックの曲っぽいなと思いました。そのクラシックっぽさは恋ちゃんらしさでもあって、手紙を書いているような歌詞の言葉使いもおしゃれで、すごく温かい気持ちになりました。
薮島:AメロもBメロも、全部がサビだと言ってもおかしくないくらい、全部のフレーズが印象に残りました。そこに恋ちゃんの優しい歌声と手紙っぽい歌詞が乗ることで、胸にスッと入って来る。恋ちゃんが心から思っていることだからこそ、こんなにスッと心に入って来るのかなって思いました。
- 「後輩たちからのプレゼントみたいなかたち」
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リリース情報

アルバム『Aspire』
2025/5/28 RELEASE
<オリジナル盤>
LACA-25170 4,400円(tax in.)
<フォト盤>
LACA-25171 4,400円(tax in.)
公演情報
【ラブライブ!スーパースター!! Liella! First Generation LoveLive! ~Wonderful Starlines~】
2025年7月26日(土)
OPEN 16:30 / START 17:30
大阪・大阪城ホール
2025年7月27日(日)
OPEN 15:00 / START 16:00
大阪・大阪城ホール
2025年8月9日(土)
OPEN 16:30 / START 17:30
東京・有明アリーナ
2025年8月10日(土)
OPEN 16:00 / START 17:00
東京・有明アリーナ
チケット:
全席指定(グッズ付き) 16,500円(税込)
全席指定 12,000円(税込)
U-20割引チケット 6,000円(税込)
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「後輩たちからのプレゼントみたいなかたち」

――他のメンバーのソロ曲も聴き応えたっぷりで、まさしく一生聴いていられるアルバムですね。ライブの話に移りますが、7月、8月に【ラブライブ!スーパースター!! Liella! First Generation LoveLive! ~Wonderful Starlines~】が開催されます。キービジュアルには1期生の5人だけが映っていて、一体どんなライブになるのかと。
青山:私やペイちゃんなど1期生が、コロナ禍で声出しができなかった2022年に行った、1stライブツアーと2ndライブを再構成したリバイバル公演です。
――「それがすごく心残りだ」と、以前から言っていましたね。そのリベンジと言うか。
ペイトン:あの時はすごく悔しかったので、夢が叶います。
――当時の気持ちに戻って、その時のライブを再現するという感じなのですか?
青山:いえ、どちらかと言えば、TVアニメ3期で11人になって、「ラブライブ!」で2連覇を達成した後の、1期生が卒業する前の時空だと思ってください。ストーリーとしては、こういうライブをやって欲しいという2、3期生からの提案を受けて実現した、後輩たちからのプレゼントみたいなかたちです。
――つまりTVアニメ3期の中では描かれていなかった、また1つのエピソードみたいな。
青山:そうですね。だから過去に戻るのではなく、あの時できなかったことに、もう一度挑戦するという気持ちです。
大熊:私たちは客席で観れるのかな?
薮島:自分たちでLiella!のライブを観る機会なんて、これが最後だと思うから、すごく楽しみ!
ペイトン:いいな〜私たちが観たいんだけど(笑)。

――では最後に、「Aspire」には「熱望」という意味があるそうです。皆さんが今、熱望していることは何ですか?
薮島:やっぱりメンバーが動いている姿に1番刺激を受けるし、私たちキャスト陣も元気をもらうので、どこかでそういった姿が観れたらいいなという願望はあります。でもメンバーたちが可愛く動いているのなら、どんなかたちでもいいのです。
青山:私も動いているメンバーが観たいのは1番ですけど、最近はTVアニメ3期の感想を海外の方が多くSNSに投稿してくださっていて、日本語じゃない言語で感想をいただくことが多いんです。だから海外の応援してくださる皆さんに会える機会を、たくさん作って行けたらいいなと思います。
――海外は、今まで上海とか行ってますよね。
青山:はい。ユニットではもっとありますけど、Liella!として11人で行ったのは上海と広州だけ。アメリカやヨーロッパなどアニメフェスは全世界で開催されているので、そういうところにも行けたらいいなって。
ペイトン:行きたいね!
大熊:私は、シンプルにやったことのないことがやりたいです。『Liella!のちゅーとりえら!!』でバラエティーに挑戦したのもすごく刺激になったし。
――バラエティーの次は、ドラマとか(笑)?
大熊:ええ〜!! でも確かに、エイプリルフールで公開した動画『オニフェッショナル仕事の流儀』でドラマっぽいこともやっているので、心構えはできています(笑)。
――あとは体を張る系?
大熊:バンジージャンプとか楽しそう。
ペイトン:絶対やだ!
薮島:やってもいいけど、その時はお一人でどうぞ(笑)。
――最後にペイトンさん。
ペイトン:みんなとはちょっとベクトルが違うんですけど、私が熱望するのは、みんなが健康でいることです。やっぱり元気が1番です。メンバーのみんなもそうだし、私たちキャストも、Liella!のことを好きでいてくださっている皆さん、スタッフや関係者の皆さん、全員がずっと健康で笑っていてくれたらいいなって。
青山・薮島・大熊:おお~!素晴らしい!
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アルバム『Aspire』
2025/5/28 RELEASE
<オリジナル盤>
LACA-25170 4,400円(tax in.)
<フォト盤>
LACA-25171 4,400円(tax in.)
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【ラブライブ!スーパースター!! Liella! First Generation LoveLive! ~Wonderful Starlines~】
2025年7月26日(土)
OPEN 16:30 / START 17:30
大阪・大阪城ホール
2025年7月27日(日)
OPEN 15:00 / START 16:00
大阪・大阪城ホール
2025年8月9日(土)
OPEN 16:30 / START 17:30
東京・有明アリーナ
2025年8月10日(土)
OPEN 16:00 / START 17:00
東京・有明アリーナ
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